《解説》茨城・牛久市長に沼田氏初当選 中心市街地の活性化急務
自民党牛久支部が沼田和利氏と横田清泰氏に推薦を出す〝保守分裂〟の構図となった茨城県牛久市長選は、現市政の継続を訴えた沼田氏が他の新人3氏を抑え、初当選を果たした。候補者で唯一の同市生まれの沼田氏に期待と信頼が寄せられた。
沼田氏は、現職の根本洋治市長の支援に加え、自民、公明のほか多くの団体から推薦を得た。出陣式には県関係の国会議員や首長、県議らが駆け付け、国や県との幅広いつながりを見せつけた。陣営の引き締めも奏功し、約1100票差の僅差に迫られたものの、勝利を招き寄せた。
横田氏は知名度の浸透で一歩及ばず、沼田陣営の組織の壁を打ち破れなかった。維新は近畿以外で初めて公認候補の首長当選を目指し、保守票の切り崩しを狙った。しかし、擁立された坂野美紗子氏は3番目の出馬表明で「出遅れたのが敗因」(陣営)となった。
都心から電車で約1時間という恵まれた条件にある同市だが、中心市街地の活性化が急務だ。8万5千人を切った人口の減少対策も差し迫っている。JRひたち野うしく駅近くの東猯穴地区では、住宅地開発に向けた区画整理事業の準備が進められている。
ハード面だけでなく、特に子育て世代に対する支援策が自治体間の競争になっている。沼田氏は、公約に掲げた給食費や子どもの医療費の無償化などを、どのように実現させていくのか注目される。