茨城・龍ケ崎市議の「当選無効」裁決 県選管 居住実態認められず 市議「寝耳に水」【更新】
茨城県選挙管理委員会は13日、4月23日投開票の龍ケ崎市議選(定数22)で維新公認で初当選した村井将重氏(47)の当選を無効にすると裁決した。公職選挙法が定める3カ月以上の居住実態が認められず、住所要件を満たしていないと判断した。11月20日まで東京高裁に提訴でき、無効が確定すれば次点で落選した無所属、元職の藤木妙子氏(70)が当選する見通し。
公選法は、立候補する市町村に選挙前の3カ月間、引き続き住所を有することを要件として定めている。同市議選後、藤木氏が「居住実態があったと考えられない」と訴え、村井氏の当選無効を申し立てていた。
県選管は村井氏の住所要件となる1月23日~4月23日のうち「少なくとも1月27日まで(同市内に住んでいたと)認められる証拠がない」と指摘。家族が暮らす東京都内の住居の電気、ガス使用量調査などを踏まえ、「生活の本拠は東京都内にあったと考えることが相当」と結論付けた。
村井氏が裁決を不服とする場合、公選法に基づき県選管を相手に東京高裁に提訴できる。30日以内に提訴がない場合は当選無効が確定する。村井氏は茨城新聞の取材に「寝耳に水。まだ何も申し上げられない」などと話した。
村井氏の当選を巡っては、同市選管が6月、藤木氏が申し出た異議を棄却。藤木氏は市選管の決定を不服として県選管に審査を申し立てていた。藤木氏は「主張を認めてもらえた。妥当な判断」と語った。
市選管の時田淳次委員長は「市選管の判断とは異なったが、県選管の裁決を真摯に受け止めたい」とのコメントを出した。
村井氏は同市議選で1153票を獲得し初当選。無効の確定までは議員の身分は失われない。県選管によると、県内では1999年8月の谷和原村議選で住所要件を満たさず当選無効となった例があるという。