茨城・土浦市長選立候補者の横顔(届け出順)
任期満了に伴う茨城県土浦市長選が15日に告示され、いずれも無所属で、現職の安藤真理子氏(62)と新人の小野勉氏(61)が立候補した。2人の横顔を紹介する。
■安藤真理子(あんどうまりこ)氏(62) 市長 無現 誇れる郷土づくりを
「コロナ禍の中、いろいろな事業に着手した。種をまいた状態の事業に花を開かせたい」と再選を目指す。「夢のある、元気のある土浦」をキャッチフレーズに、生まれ育ったことを誇りに思い、人生の最後も終えられるような郷土づくりに向け意欲を燃やす。
ただ1人の県内女性首長で、当選すれば県内初の再選になるという。県議時代も自民党議員の45人中、女性は1人。長女は性自認が男で、娘の悩みと向き合うなどジェンダーの問題が常に身近にある。「県内唯一の、という枕ことばを早くなくしたい」と認識する。
市議を務めた父親の背中を見て育った。短大を出て東京で就職。出産を機に郷里に戻った。2000年の介護保険制度開始に合わせ介護事業を手がけた。「政治家の家族は嫌」と感じていたが、制度の複雑さや不満の解消には政治の力が必要と痛感し、父親の後を継ぐ形で市議になった。
趣味はドライブで、昔は務め先だった日産のスポーツ車に乗ったことも。尊敬するのは両親、田中角栄。座右の銘は「夢は強く願えば必ずかなう」。夫、子ども2人の4人家族。大町。
■小野勉(おのつとむ)氏(61) 家庭教師 無新 公平に得する社会へ
「現職の市政がこのまま4年間続くのは納得いかない。やっていることがよく分からない」。熟考しながら出馬理由を説明する。
公約は主に三つ。市民の経済的負担軽減、市役所改革、市長のボーナスと退職金ゼロ。皆が等しく公平に得をする社会を目指す。「土浦を楽しく過ごせる街にしたい」
新聞が好きで、小学生の頃から政治家に興味を持った。「インド独立の父」マハトマ・ガンジー、米黒人指導者のマーチン・ルーサー・キング牧師といった偉人を尊敬。その影響で自由や平等に重きを置く。過去に市議選、県議選、守谷市長選などに出馬してきた。
大学の政治学科に進学後、「自分自身の解放のため」舞台俳優の道に。海外公演や自主企画の舞台など、20代は演劇にまい進した。観客との空間共有や共同作業の面白さを体感した。
民間企業や司法試験挑戦を経て、40代から家庭教師。延べ100人以上の小中高生を指導したという。
好きな言葉は「人生バラ色」で「実現できていないが…」と苦笑する。趣味はラジオ体操。母親(86)と2人暮らし。小岩田東。