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「献上」依頼、疑わず 詐欺被害の茨城県内農家 「先生」と呼ばれた男、巧みに接近

加藤正夫被告
加藤正夫被告
農家男性が受け取った加藤正夫被告の名刺(画像の一部を加工しています)
農家男性が受け取った加藤正夫被告の名刺(画像の一部を加工しています)


皇室への献上名目で茨城県内農家が野菜などをだまし取られた事件で、詐欺容疑で逮捕された男(75)は、近づいた農家の多くに「献上」依頼を繰り返していた。同県筑西市の農家は「宮内庁献上」と書かれた木札も受け取った。「先生」と呼ばれた男の逮捕に、被害を受けた農家は「疑いようがなかった」と肩を落とした。

「こういうのにはだまされないと思っていた。でも信頼する人の紹介だったから…」。同県結城市の50代の農業男性はそう振り返る。

この男性からトマトをだまし取ったとして、詐欺容疑で逮捕されたのは、東京都練馬区大泉学園町2丁目、農業園芸コンサルタント、加藤正夫被告=別の詐欺罪などの罪で起訴。

逮捕容疑は3月23日、献上品の選定や納品の権限があるように装い、「トマトを検査したい」「成分検査だけでもやった方がいい」などとかたり、男性から約1万2千円相当のトマトをだまし取った疑い。県警は認否を明らかにしていない。

加藤被告と男性が初めて会ったのは2年ほど前。付き合いのある農業用資材会社から紹介された。加藤被告は、初対面の時から東大での検査を持ちかけてきたという。

逮捕のきっかけは、今年6月ごろ。農業用資材会社が検査結果について東大に問い合わせたところ、加藤被告が同大に在籍していないことが判明。男性はその後、県警に相談したという。

これまでの茨城新聞の取材で、加藤被告は結城、筑西両市や栃木県真岡市で、献上名目で農産物提供を持ちかけていたことが判明。いずれも知人を介して知り合った農家に「献上」を依頼し、「東大大学院客員教授」などと書かれた名刺を渡していたとみられる。

筑西市の農業男性は、別の農家に誘われて加藤被告と会うようになった。宮内庁関係者を名乗る加藤被告からは、菊の紋章が入った菓子が差し入れられたこともあったとして「疑いようがなかった」と話した。

栃木県那須町、作家、女性(93)は、筑西市の農家を取材している時、加藤被告と知り合ったという。「(加藤被告は)堂々としていた」という。

女性は同市の農家についてまとめた著書で、木札の写真や加藤被告などを紹介。出版前に内容を確認したところ、加藤被告は「これで結構です」と説明を受けた。女性は「本当なら名誉なこと。(事件で)名誉が剥がれてしまった」と残念そうに話した。

一方、結城市のトマト農家に加藤被告を紹介した男性が代表を務める農業用資材会社は、加藤被告について「問屋から紹介を受けた」としたものの、「詳細は説明できる状況にない」としている。



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