茨城・阿見町 人口5万人超 速報値 市制移行へ準備
茨城県阿見町は1日、人口が速報値で5万人を突破したと発表した。市制施行には国勢調査で5万人以上となることなどが要件とされる。町は2025年の国勢調査を経て、早ければ26年度中の施行を目指す。新たな部署の設置を検討するなど、千葉繁町長は「市への移行に向けた準備を進める」としている。
町の常住人口調査によると、これまで4万人台後半で推移していたが、1日現在の速報値で5万14人となった。
町政策企画課によると、JR荒川沖駅周辺や、大型商業施設「あみ・プレミアムアウトレット」周辺で、子育て世代など若年層が増加している。両地域では住宅開発が進められており、町は「これから数年間、若年層の増加が見込まれる」とする。
単独で市制施行するための要件は、地方自治法に基づき、国勢調査で人口5万人以上▽中心市街地を形成する区域にある戸数が全戸数の6割以上▽商工業やその他の都市的業態に従事する人や家族などが全人口の6割以上-などと定められている。
要件を満たした上で、町議会の議決、県への申請や県議会の議決などが必要となる。
市に移行すれば、生活保護や民生委員、児童扶養手当てなどの事務を担う「福祉事務所」設置が義務付けられる。権限強化や行政サービスの向上につながり、同課は「県と相談しながら着実に進めたい」としている。
町は「市制施行準備室」の24年度設置を検討している。市制について住民の意向を調査するとともに、移行に伴う各種変化を情報発信する。千葉町長は「子育て世帯を中心に選ばれる町となり大変うれしい。市制施行に向けた準備を進め、持続可能な自治体を目指す」とコメントした。
町は1955年4月に旧阿見町と朝日村、君原村、舟島村の一部が合併して誕生した。当時、約2万2850人だった人口は増え続け、88年に4万人、95年に4万5000人を超え、2000年代以降は4万人台後半で推移していた。
県市町村課によると、県内では、02年に守谷市、1986年に牛久市、72年に岩井市(現坂東市)、70年に取手市がそれぞれ単独で町から移行している。