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先端林業技術語る 茨城・大子で育林交流会 全国育樹祭併催行事

森林資源の継承に向けて開かれた「育林交流集会」=大子町大子
森林資源の継承に向けて開かれた「育林交流集会」=大子町大子


豊かな森林資源を次世代に継承しようと、全国育樹祭の併催行事「育林交流集会」が11日、茨城県大子町大子の町文化福祉会館・まいんで開かれた。伐採から加工、建築までの各過程に携わる3人が登壇し、最先端の林業技術や利用促進の在り方などを語った。

木材の流通は樹木の伐採を含む生産・販売に始まり、中間業者による製材加工を経て、建築業者からエンドユーザーへ届く仕組み。今回プレゼンターとして登壇したのは、町森林組合業務課長の石井崇博さん、森林研究・整備機構の伊神裕司さん、建築家の遠藤克彦さん。3人は流通過程の現状などを解説した。

石井さんは、人工知能(AI)を活用した森林整備計画作成や大型ドローンによる苗木運搬など、林業に活用されている最先端の技術に言及。離れた場所から仕事ができる「リモートセンシング技術の台頭で林業の状況が大きく変わり始めた」と強調した。

製材分野では、伊神さんが直径30センチ超の「大径材」と呼ばれる木材について、エンドユーザーから「敬遠されがち」としながらも、効率的な製材・乾燥技術を開発し、利用促進に向けた取り組みを紹介した。

同町北田気で昨年8月に完成した町庁舎は、全国的にも珍しい純木造。設計に携わった遠藤さんは「延べ床面積5000平方メートル超の大規模木造建築が実現したのは、設計段階から林業関係者と幾度もヒアリングした内容を反映できたから」と振り返った。



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