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大型観光企画「茨城DC」好調、後半へ 企画力で振興、定着に期待

茨城DCと連動した笠間菊まつりには、平日でも多くの観光客が訪れる=14日、笠間市の笠間稲荷神社
茨城DCと連動した笠間菊まつりには、平日でも多くの観光客が訪れる=14日、笠間市の笠間稲荷神社


大型観光企画「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」は10月に開幕して以降、各地でにぎわうなど好調が続く。茨城県の自然や食、人の魅力に焦点を当てた企画力と宣伝効果によって観光客が増加、地域への波及効果も見られる。開催期間の後半に入り、県はPRを継続。コロナ禍を経て観光スタイルが変化する中、DC後の定着に向けた誘客が求められる。

「これだけ盛り上がっているDCはなかったのではないか」。大井川和彦知事は9日、記者会見で「絶好調」と強調し、「目立つ観光が少ないとされる茨城県でも、国内外にアピールできる素材を生み出すことができるという実験ができた」と胸を張った。

DCはJRグループ6社と自治体、観光業者らが連携し、全国各地で行われる観光キャンペーン。

今回、茨城県では「体験王国」「想像超え」をテーマに12月末まで開催する。豊かな自然や食の宝庫といった茨城県の強みを観光資源と捉え、地域や事業者のアイデアを加えた体験型観光の企画をそろえた。

県によると、用意した326企画のうち、10日までに約100件を実施した。海の波を光で彩る「ナイトウェーブ」(大洗町)に4万人、DCの見本市「県庁プレイパーク」(水戸市)に2万5千人が来場した。古河市の菓子メーカーと連携し、ポップコーンに宿泊施設の女将(おかみ)の写真とおすすめ情報を付け加えた「女将カード」は交流サイト(SNS)で話題となり、ほぼ完売となった。



県はDC期間中、「観光消費額1千億円」「入り込み客数2千万人」の二つを目標に掲げた。

ツアー料金は手頃なものから高価格帯まで幅広く設定。観光客からは「割高だが、他にはない体験ができる」と評価する声が聞かれるという。

美食家として知られる北大路魯山人の旧居「春風萬里荘(しゅんぷうばんりそう)」で東京・銀座の高級料理を食べるツアーは、13万円を超える価格にもかかわらず、キャンセル待ちの人気となった。参加した神奈川県横須賀市の女性は「魯山人の作品と笠間の風景、一流の食が楽しめる良い企画。十分に価値がある」と満足そうに話した。

経済への波及効果も見られる。笠間市は特産の栗や名所を紹介するテレビコマーシャル(CM)を流したところ、人気の「道の駅かさま」から市内各地へ観光客が周遊する動きが出たという。

笠間菊まつりが開かれている笠間稲荷神社周辺の飲食店では「平日でも週末のような客足がある」「売り上げがコロナ禍前に近づくほど回復した」と歓迎の声が聞かれる。



県はこれまで、年代や所得、家族構成を考慮し、SNSやテレビ番組など各媒体を介したプロモーションを展開し、「効果が出ている」とみている。今後も特設サイトに週末のイベント情報や、紅葉の見頃、ライトアップの催しなどを紹介し、日帰り旅行ニーズの取り込みも強化する。

DC開催に当たっては、地域や事業者がアイデアを出し、自発的に観光企画を生み出した。県はこうした成功体験による「意識の転換・向上」に期待する。

県観光物産課の担当者は「補助金のなくなるDC後も、地域が企画を創出する好循環が継続してほしい。DC後半も意欲ある地域や事業者をさらに支援していく」と強調した。

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