公募小説、映像化へ 地元俳優ら出演し撮影 茨城・桜川市
茨城県桜川市の観光PRポスターを題材とする短編小説「ひかりさす」原作の短編映画の撮影が28日、同市真壁地区で本格的に始まった。映画は市が製作。俳優を交えた撮影はこの日が初めてで、主演する旧真壁町出身の俳優、木口健太さん(35)らがバスに乗る場面や、居酒屋で父親と杯を交わす回想シーンなどに臨んだ。
木口さんは「桜川市を象徴するような作品にしたい。まずは地元の方に好きになってもらえたらうれしい」と意欲を示した。
市は2022年度、四季折々の市内の風景と成長していく幼なじみの男女が描かれたポスターを題材に、短編小説を募集。集まった作品168点の中から、藤本希さん=同県つくば市=の「ひかりさす」が最優秀賞に選ばれた。バスに乗り込んだ主人公が運転手と会話を交わす中で亡き父親の記憶に思いをはせるストーリーとなっている。
原作には、同市岩瀬地区の高峯のヤマザクラや、同市大和地区の雨引山楽法寺(雨引観音)のアジサイなどが登場する。市商工観光課の担当者は「作品の世界観を大切にしながら、観光名所の魅力をちりばめた作品を作りたい」と映画の製作に意気込みを見せる。
出演するのは、県内出身者や地元にゆかりのある俳優。木口さんが主人公を務めるほか、同県茨城町出身の根矢涼香さん(29)が主人公の妻、「さくらがわ応援大使」で同市出身の声優・歌手の櫻川めぐさん(35)、安達勇人さん(35)が若き日の両親を演じる。
大内靖監督(42)は、「地元の人にとっては当たり前の風景でも、違った魅力が見えるような作品にしたい」と強調した。
市によると、映画の公開は来年10月以降の予定。