試食リンゴで12人食中毒 O157検出 6歳児と70代女性がICUで治療 茨城・大子の果樹園
茨城県は29日、同県大子町小生瀬の観光果樹園「豊田りんご園」で試食のリンゴを食べた客12人が腹痛や下痢、血便などの症状を訴え、腸管出血性大腸菌O157が原因の食中毒と断定したと発表した。3人が入院中で、6歳男児と70代女性の2人が集中治療室(ICU)で治療を受けている。容態は不明。提供の過程で付着したとみられる。
県生活衛生課によると、発症したのは10歳未満の6人を含む80代までの男女12人で、6歳から80代の男女5人が入院。現在は6歳男児、70代と80代の女性2人の計3人が入院しており、中でも男児は人工透析を受け、人工呼吸器をつけている。男児のほか70代女性がICUに入り、80代女性は快方に向かっている。
12人はいずれも5日午後、同果樹園で提供された試食のリンゴを食べた。発症者3人のほか、味見した従業員1人(無症状)からもO157が検出された。
リンゴは園内で収穫、保管していたもので、複数の従業員が専用カッターで切り分けていた。カッターや洗浄用おけなどの器具、保管中のリンゴからは検出されなかった。
複数の医療機関から13日以降、保健所にO157の感染症発生届が提出され、ひたちなか保健所が原因を調べていた。15日は同果樹園を立ち入り調査し衛生管理の徹底を求めた。同果樹園は16日から試食提供を取りやめた。県は、保健所を通し果樹園に注意を呼びかけている。