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常陸国天然まがも 一石二鳥 新ブランド 特産化と食害防止

「常陸国天然まがも」を発表する大井川和彦知事と関係者=県庁
「常陸国天然まがも」を発表する大井川和彦知事と関係者=県庁
天然マガモのフランス料理
天然マガモのフランス料理


茨城県は全国有数のマガモの飛来地として、高級食材で知られるかも肉の流通支援に乗り出す。大井川和彦知事は30日、ブランド名を「常陸国(ひたちのくに)天然まがも」と発表した。県内では特産のレンコンがカモに食べられる被害が問題となっている。県は猟友会や食肉施設、飲食店と連携することで、食害防止と特産品創出の「一石二鳥」としたい考えだ。

同日、県猟友会やかも肉を提供する飲食店の関係者が県庁を訪問。稲敷市内で捕獲され、調理されたフランス料理を試食した大井川知事は「文句ないおいしさ。かめばかむほど味わい深い。自信を持ってプロモーションできる」と話した。

県などが連携したマガモの流通は今季から始める。県農村計画課の渡辺邦夫課長は「眠っていた食材。茨城の名物にしたい」と意気込む。

環境省によると、茨城県へのマガモの飛来は約5万羽を超え、4年連続で全国1位。理由について、県の担当者は「餌となるレンコンやコメの落ち穂が霞ケ浦周辺に豊富にあるため」と話す。

マガモが飛来する冬季にレンコンは収穫のピークを迎えるが、食害に遭えば出荷できない。野生のカモ類による農作物被害は年1億6500万円に上り、鳥獣による被害全体の約半分を占める。

これまで、レンコンの食害を防ごうと、県猟友会のメンバーが鳥獣保護法で定められた期間に猟を行ってきたが、捕獲しても自家消費にとどまっていた。流通させるには、資格を持つ15人がマガモを傷つけないように網で捕獲する。今季の目標は約千羽とする。

食肉処理を担う「K&K」(日立市)の加藤仁郎代表は「天然ものは量が読みにくいが、流通量を増やしたい」、日本料理店「よし町」(土浦市)の木村英明社長は「地元の食材を使うことは大切。メニューの目玉になる」と期待する。

県などは12月1日から2月15日まで県内7店舗で、かも肉フェアを行う。



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