若冲と波山、作品ずらり 茨城・筑西 廣澤美術館で特別展
江戸時代を代表する画家、伊藤若冲(1716~1800年)と、文化勲章を受章した茨城県筑西市出身の陶芸家、板谷波山(1872~1963年)のそれぞれの作品を紹介する特別展「若冲と波山展」が7日、同市大塚の廣澤美術館で始まった。生き生きとした筆の動きを見せる若冲と、美しさの中に幻想的な雰囲気を漂わせる波山の力作計33点がそろう。
同館は近年、若冲の作品収集を進めており、今回は所蔵品から特に水墨画を中心に23点を展示する。若冲の作品は躍動感のある筆さばきが特徴で、鳥や虎、カエルなどが大胆な形で描かれる。「鶴図」は、筆の勢いが感じられ、余白とのバランスが優れている。このほか、亀に似た想像上の動物が描かれた「霊亀(れいき)図」、京都で画家活動に専念した若冲ならではの「伏見人形図」などが並ぶ。
波山の作品は、不透明釉(ゆう)で器の表面を覆った独自技法「葆光(ほこう)彩磁(さいじ)」を特徴とすものなど10点。草花などの文様が大きな見どころで、高さ約78センチの大作「彩磁蕗葉文大花瓶(さいじふきはもんだいかびん)」は造形されたフキの葉が目を引く。
同館は「時空を超えて、2人の作品が並んだ。それぞれの面白さを堪能していただければいい」と話している。来年2月4日まで。問い合わせは同館(電)0296(45)5601。