特殊詐欺、初の議題 G7水戸内務・安全相会合開幕 各国代表を歓迎 茨城
先進7カ国(G7)内務・安全担当相会合が8日、茨城県水戸市で開幕した。3日間の会期中、国際的な治安課題について議論する。特殊詐欺が初めて議題に取り上げられるほか、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡って過激派組織や、単独で実行する「ローンオフェンダー」によるテロへの懸念が高まっており、各国は共通の課題や対策を話し合う。歓迎レセプションが市内のホテルで開かれた。
会合には、米国土安全保障省など各国治安部門の代表者に加え、国際刑事警察機構(ICPO)の事務総長らが出席。9日にはウクライナ支援が議論され、同国のクリメンコ内相がオンラインで参加する予定だ。
歓迎レセプションには、約140人が出席。松村祥史国家公安委員長は「誘致した茨城、水戸の熱意を感じてほしい」とした上で、「各国で課題が山積する。G7閣僚会合の最後を締めくくる素晴らしい会合にしたい」とあいさつした。
大井川和彦知事は、水戸の歴史や文化、つくばの最先端科学技術、農水産物など茨城県の魅力をPR。会場では郷土芸能や書道パフォーマンスなどが披露され、料理では銘柄牛「常陸牛」や地酒など茨城県特産品が提供された。
9日は水戸市民会館を会場に意見を交わす。生成人工知能(AI)を悪用した新たな犯罪や、サイバー空間の脅威、経済安全保障、民主主義を脅かす偽情報などに関して議論。昨年の元首相銃撃事件を受けたテロ対策の一環で、インターネット上にある武器製造情報の規制の在り方についても大手テクノロジー企業でつくる非政府組織を交えて話し合う。最終日の10日に声明文をまとめる。
特殊詐欺被害は欧米でも問題となっている。日本では海外を拠点とした詐欺グループの摘発が相次いでおり、国境を越えて暗躍する犯罪組織に対し、G7の連携を強化したい考えだ。
茨城県でのサミットの関係閣僚会合は、2016年G7科学技術大臣会合(つくば市)、19年G20貿易・デジタル経済大臣会合(同)に続き3回目となる。