エリザベスさん在留特許を 茨城・牛久市議会が意見書可決 ナイジェリア女性への人道配慮求める
難民認定を求めている茨城県牛久市内在住のナイジェリア国籍、オブエザ・エリザベス・アルオリウォさん(55)を巡り、同市議会は15日、定例会本会議で、エリザベスさんの在留特別許可を求める請願を賛成多数で採択した。請願に基づく意見書案も賛成多数で可決し、内閣総理大臣、衆参両院議長、法務大臣、出入国在留管理庁長官に送付した。
意見書は、エリザベスさんはナイジェリアからの独立運動に携わるビアフラ先住民で、強制送還された場合、「待っているのは逮捕と処刑」として、国に対し「人道配慮に基づく在留特別許可」を求めている。
エリザベスさんは故郷に残る女性器切除(FGM)の風習から逃れるため、1991年に23歳で来日。不法滞在のため、2011年と16~17年に入管施設に収容された。12年と17年の2階、難民認定を申請したが、いずれも認められなかった。現在は就労や病気の治療、移動など生活面で多くの制限のある仮放免の状態にある。在留特別許可を認められれば、就労や健康保険の加入が可能となる。
この日、市議会による請願採択と意見書可決を受け、エリザベスさんと支援者グループ「ウィズ エリザベス(エリザベスとともに)」の柳沢由実子代表(80)らが市役所で記者会見。エリザベスさんは「気が楽になった」と語り、支援者らと抱き合った。柳沢さんは「在留特別許可を求める意見書を国に届けることに、牛久市が賛成してくれた」と感謝の気持ちを示した。