「世界最大の花」発芽に成功 ショクダイオオコンニャク 国内初、人工授粉で種採取 茨城・つくば
国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市天久保)は20日、同園で5月に開花した二つの「ショクダイオオコンニャク」を人工授粉して得られた種が発芽したと発表した。世界最大級の花を咲かせる絶滅危惧種で、栽培下で結実して種が得られるのは世界でも珍しく、国内では初めて。
ショクダイオオコンニャクは、インドネシアのスマトラ島に自生するサトイモ科の植物。開花すると高さ約3メートル、幅約1メートルにもなり、強烈な悪臭を放つことで知られる。
同園では5月、大小二つの個体が開花。人工授粉させたところ、6月に結実し、11月に種が得られた。
同園によると、発芽が確認されたのは12月12日。20日現在で三つが発芽し、いずれも11月10日に植えたものという。約20個の種を植えており、残りも順次発芽するとみられる。順調に育てば約3カ月で葉が出て、10~12年で開花する見通しという。
温室担当の小林弘美さん(50)は「(発芽のため)室温に最も気を付けた。今度は次世代での開花を目指したい」と笑顔を見せた。