自動追従ロボット、荷物運搬を支援 高齢化に対応 茨城・つくば市で実証実験
高齢化の進展をにらみ、茨城県つくば市は21日、自動追従ロボットによる荷物運搬支援の実証実験を報道陣に公開した。実験は同市小田で行われており、高齢者などが重い荷物を運ぶ負担を軽減するのが狙い。使用感や改善点などの意見を収集し、今後のサービス実現につなげる。
市科学技術戦略課などによると、同市の高齢化率は20%で県内の市町村の中でも低いが、小田地区は39%を超え、対応が課題になっている。
実験は、自宅から集積所まで家庭ごみを運搬▽移動スーパーで買い物した荷物を運搬-の2種類。実生活の中でロボットによる荷物運搬を体験してもらうため、民生委員を通じて体験者を選び、同日までに買い物支援で3人、ごみ出し支援で1人が体験した。実験期間は12月11日から来年2月29日まで。
実験に使用するロボットは、筑波大発のベンチャー企業「Doog(ドーグ)」が提供。長さ80センチ、幅60センチ、高さ99センチで、最大約100キロまで荷物を積める。機体の正面にセンサーを搭載し、前方にいる使用者を自動で追いかける。歩行補助車に該当するため、歩道の公道走行が可能だ。同課の前島吉亮課長は「有効性を確認した上で、他の高齢化地域にも転換できるよう検証したい」と話した。
21日は、小田地区に住む白石みとりさん(95)が体験。ロボットに40リットルのごみ袋を乗せて歩くと、ロボットが後から追いかけ、自宅から約30メートル先の集積所まで運んだ。白石さんは「(ゴミを)持たないで済むから軽くていい」と話した。民生委員の白石通さん(71)は「前方を向いていても音楽で追随が分かるような仕組みなどを盛り込んでほしい」と改善点を挙げた。