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政治倫理条例を廃止 茨城・常陸大宮市議会 「なり手不足」「条例で立候補ためらう」

常陸大宮市役所=同市中富町
常陸大宮市役所=同市中富町


茨城県常陸大宮市議会は定例会最終日の21日、本会議を開き、2002年に制定された議員政治倫理条例を廃止する条例案を賛成11、反対5(欠員1)の賛成多数で可決した。廃止理由は、同条例が「特定業種に就く人が市議になることをためらう原因になるため」などとしている。

廃止案は三次弘史氏(無所属)が12日、ほか10人の賛成者を得て議員提出した。審議を付託された議会運営委は14日、同案の採決で賛成3、反対3の同数となり、委員長裁決で可決。21日の本会議に「可決すべきもの」として提出した。

三次氏は廃止案の提案理由について「条例の規定で、特定業種に就いている有為な人材が議員への立候補をためらうこととなっている。(議員の)なり手不足解消のため、現行条例は廃止し、今後必要なら新たに条例の制定を検討すべき」と述べた。

廃止された条例は「議員と配偶者または議員の1親等もしくは同居の親族が役員をしている企業、議員が実質的に経営に携わる企業は、市などが行う工事等の契約を辞退し、市民に疑惑の念が生じないよう努めなければならない」と定めている。21年2月の同条例改正では議員が辞退すべき対象を従来の工事の請負契約、下請工事、業務委託契約だけでなく、物品納入契約も加えるなど、制限が強められていた。

21日の本会議での採決を前に、高村功氏(共産)ら4氏が反対討論。高村氏は「契約の辞退を求める規定などが全て撤廃されれば、これまでのタガが外れてしまう」と述べた。これに対する賛成討論で、掛札行雄氏(無所属)は「多くの方々が市議として活躍すべきで、市議会の活性化につながる」と述べた。

市議会事務局などによると、茨城県内では北茨城市議会が13年に施行した議員政治倫理条例を20年に廃止。翌21年に再度議員提案された政治倫理条例案を可決した例がある。



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