1月は縁起物を使った年初めの行事が多く行われます。中でもお茶事の福菓子に出される干し柿は、喜びや福をかき集めるという語呂合わせで〝嘉喜〟という字を当てます。古くから冬の保存食として守り続けてきた食文化です。

干し柿は渋柿の皮をむき、冷え込む朝晩に乾いた北風の中で天日干しすることで、渋が抜け乾燥します。時折見られる表面の白い粉状のものはカキの果糖やブドウ糖が結晶化したものです。豊かな甘味に加えβカロテン、カリウム、食物繊維など栄養が凝縮しています。βカロテンはカロテノイドの一種で、天然のオレンジ色の色素です。体内で必要に応じてビタミンAに変わる効力が高く、抗酸化作用に優れています。体内で作ることができませんので、日々食べ物から摂取する必要があります。

暴飲暴食による胃腸の働きの低下や生活習慣病対策としても有効です。古くから効能が認められていますが、食べ過ぎは禁物。1日1個を目安にしましょう。