市民の「宝」公開 昭和初期のオルガンも 茨城・土浦市立博物館 改修完了、6日再開
設備の改修などのために約1年半休館していた茨城県土浦市の市立博物館(同市中央)が6日、展示の公開を再開する。再開後初の展示会は、所蔵品を紹介する第44回特別展「土浦のたからもの」。江戸時代に土浦藩を治めた土屋家ゆかりの茶器や刀剣など、えりすぐりの品約60点を公開する。また、市立土浦幼稚園で昭和時代に使われたリードオルガンを修復して展示する。
1988年7月の開館から約35年が経過した同館は、老朽化した空調機器などの設備更新のため、2022年7月から一時休館。22~23年度の2カ年で約4億5300万円をかけた改修が完了した。
特別展は3章立てで、土屋家の文化を紹介するほか、企画展などをきっかけに収集した品、修理した収蔵品を並べる。
リードオルガンは昭和初期のヤマハ製で、明治期(1885年)に県内初の幼稚園として設立された伝統を誇る土浦幼稚園で使われた。弾けるように修復した上での公開は初となる。幼稚園100周年の際の調査でオルガンの所在が判明。廃棄処分になった後、教諭が引き取って保管していたことが分かった。よみがえった音色を楽しむ演奏会が2月10日午後に開かれる。
このほか、土屋家ゆかりの品として、茶器「瀬戸茶入 銘 塩屋」や茶杓(ちゃしゃく)といった茶道具をはじめ、藩主が身に着けた甲冑(かっちゅう)、伝来の刀剣などを展示する。私塾を開いた教育者・沼尻墨僊が1855年に製作した傘(かさ)式地球儀、土浦藩の絵師・岡部洞水の絵「唐子図」も並ぶ。
野田礼子学芸員は「土浦の歴史を伝える市民の宝と言える貴重な品々ばかり。これまでなかなか紹介するきっかけがなかったものも展示できる機会となった」と話した。
3月17日まで。入館料は一般200円、高校生以下無料。1月6~8日は新春特例で無料となる。