大雨被災のこども園復旧 北茨城 4カ月ぶり園舎再開
昨年9月の台風13号に伴う大雨で被災し市施設を借りて運営していた茨城県北茨城市関南町関本下の認定こども園「誠之会幼稚園」は9日、復旧作業を終えた園舎で4カ月ぶりに園児の受け入れを再開した。バスや保護者の送迎で園児71人が登園。始業式を開き、元の姿に戻った園舎には子どもたちの明るい声が響いた。
同園は昨年9月、最大74センチの床上浸水被害に遭った。応急的な対応として、同市関本町富士ケ丘の市生涯学習センター分館を借りて園児を受け入れていた。元の園舎は泥水に漬かったため、床板の張り替えや園庭の砂の入れ替えなど修復を行い、同12月下旬にほぼ作業を終えた。
この日は午前8時半ごろから送迎バスが到着し、園舎を見た児童は「きれいになってる」と歓声を上げた。慣れ親しんだ場所で職員の出迎えを受け、笑顔を見せた。
始業式で渡辺誠園長(74)は、園児に対し、被災直後の様子や保護者・ボランティアらが片付け作業する姿の写真を見せながら、これまでの経過を説明。「いろいろな人に助けられ、感謝という言葉を身に染みて感じた。助けてくれた人たちのために、立派な大人になってほしい」と語りかけた。
園児らは教室の中で友達と遊んだり、園舎を巡ったりした。年長の松本紗来ちゃん(5)は「教室がきれいになってすごい。元の場所に来られてうれしい」と喜びを示した。幼稚園と同園学童クラブに3人の子どもを預ける藤田彩香さん(35)は「子どもたちも今日を楽しみにしていた。ここで思い切り体を動かし、友達や先生と思い出をたくさんつくってほしい」と話した。