茨城県立高校 明野を真壁に統合、来春実施 結城一と鬼怒商は連携型
茨城県教育委員会は16日、県立高校改革として、明野(筑西市)を真壁(桜川市)に統合すると発表した。実施は2025年4月。明野は今春の生徒募集を最後に27年3月、閉校する。結城一(結城市)と鬼怒商(同)は新たに設けられた「学校連携型キャンパス制」を導入し、授業配信などで連携する。太田一(常陸太田市)は定時制の募集を停止し、28年3月に閉課程する。
県教委の県立高校改革プランの下、24~26年度の3年間の実施計画として決めた。昨年12月の教育委員会の議決を経て策定した。
明野は現在の普通科4コースを真壁の同科2コースに引き継ぎ、統合される。両校では定員割れが続き、本年度入学者は明野(定員80人)が20人、真壁普通科(同40人)は8人だった。明野は今春を最後に生徒募集を停止する。
明野は1977年に創立し、これまでに約6400人が卒業。開校3年目の79年夏には全国高校野球の茨城県代表として甲子園出場を果たし、大きな話題となった。16日、渡辺英一校長は「卒業生がいない創立3年目の学校の快挙に、地元の盛り上がりは大変なものだった」と振り返った上で、「本県や地元を支える多くの人材を輩出してきた」と話した。
結城一と鬼怒商は統合せずに2025年4月、学校連携型キャンパス制を導入する。遠隔授業の相互配信、学校行事や部活動の合同実施、外国人生徒の相互支援などを行う。
県教委の改革プランは26年度までの7年間を計画期間としている。これまでに県立中高一貫教育校10校の開校などを実施。さらに少子化や社会動向を踏まえ、高校配置などを検討してきた。
県教委によると、22年度の県内中学卒業者数は、約30年前の半分となる2万5千人に減少。さらに30年度には約2400人の減少を見込む。一方、県南の一部エリアでは増加が見込まれるなど、地域によって状況が異なる。
記者会見した森作宜民県教育長は「中学校を卒業する生徒が減少。特色ある各校の取り組みを教育課程の充実につなげていきたい」と話した。