外国人相談体制充実へ サポーター 12カ国20人認定 茨城県
茨城県は17日、日本語の理解が十分でない在留外国人に対し、多言語で生活相談などに応じる「IBARAKIネイティブコミュニケーションサポーター制度」を新設した。県内に在留する12カ国の外国人20人をサポーターとして認定。国籍や言語が同じ人とのつながりを生かし、生活相談や情報提供を充実させる。
サポーターの主な活動は、生活の困り事や地域生活ルールへの助言のほか、医療、役所の手続きといった相談に乗り、同行支援も行う。県や県国際交流協会からの災害やイベントの情報を交流サイト(SNS)を通じて、サポーターが属する外国人コミュニティーに伝えたり、行政に対する意見や要望を県に報告したりする。認定者は水戸、結城など7市町に在住し、英語やベトナム語を含め13言語に対応できる。県は交通費や一部経費を支給する予定。
認定式が同日、県庁で開かれ、出席した11人に対し、認定書が手渡された。林利家県民生活環境部長は「県人口が減少する中、発展させていくには外国人の力が欠かせない。外国人が安心して暮らせる県にしていきたい」と述べた。
サポーター認定された、ベトナム出身で水戸市在住のレ・ヴァン・タンさん(30)は「日本語が分からず困ってしまう外国人は多い。サポーターとして多くの人を助けたい」と意欲を語った。
茨城県の在留外国人は、昨年6月末時点で8万5858人に上り、人数は全国10位。前年同月比で8000人以上増えている。市町村別ではつくば市が最も多く、次いで常総市、土浦市と県南地域が多い。国籍別ではベトナム、中国、フィリピン3カ国で全体の半分を占める。