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水戸京成百貨店不正受給 元社長、黒字確保狙いか 人件費削減も提案 茨城

水戸京成百貨店(資料写真)
水戸京成百貨店(資料写真)


水戸京成百貨店を巡る国の雇用調整助成金の詐取事件で、当時社長の斎藤貢容疑者(66)が、黒字を確保しようと当時の総務部長に不正受給を指示したとみられることが21日、捜査関係者への取材で分かった。コロナ禍で最初の緊急事態宣言が発令された2020年4月の同店売り上げは前月比で大幅減。茨城県警は、不正に得た雇調金で収益減を穴埋めしようとしたとみて、指示の具体的な内容を調べている。

百貨店は、コロナ禍で最初の緊急事態宣言が発令された同月から1カ月間、食品売り場を除き全館を臨時休館。同月の売り上げは前年同月比で6割減少したという。

捜査関係者によると、元部長は県警に対し、店舗が臨時休館した20年4月に斎藤容疑者から「従業員の給与を6割にしよう」などと提案があったと説明。元部長らが難色を示したところ、斎藤容疑者から口頭で不正受給の指示を受けた。2人はその後もLINE(ライン)やメールなどで雇調金についてメッセージを交わしていたという。

斎藤容疑者らは同月から、従業員の勤務データを改ざんし、国に雇調金を申請。同年9、10月には計約1億3300万円を同社名義の預金口座に入金させ、だまし取った疑いが持たれている。

この雇調金が入金された時期を含む同社の21年2月期決算は1500万円の黒字。不正に得た雇調金を除けば赤字に転落する恐れがあったとみられ、県警は、黒字を確保するために雇調金の水増し申請を始めた可能性があるとみて、斎藤容疑者と元部長らのやりとりの内容を詳しく調べている。

斎藤容疑者は逮捕前、茨城新聞の取材に「不正を指示していない」と関与を否定していた。



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