自宅前に移動投票所 実証実験 高齢、障害者を支援 茨城・つくば市
茨城県つくば市は26日、投票箱を載せた車が自宅までやってくる「オンデマンド型移動投票所」の実証実験を報道陣に公開した。住民が電話やインターネットで予約し、自宅前に到着した専用車両内で模擬投票を行った。市は今秋の市長選・市議選の期日前投票で、移動が困難な高齢者や障害者などを対象に導入を目指している。今後、検証結果をまとめて市選挙管理委員会に報告、4月にも運行内容を決めたい考え。
五十嵐立青市長は「ネット投票実現に向けた最初のステップ。誰もがハードルなく1票を投じる権利を守りたい」と述べた。
模擬投票は23~27日の間、同市筑波、臼井の2地区の18歳以上の住民を対象に実施。2地区は筑波山の麓にあり、勾配がきつく、高齢者が多い地区であることから選ばれた。26日昼までに約60人が参加、このうち60歳以上が9割を占めた。
移動投票所としてワンボックス型の福祉車両1台が使用された。車が自宅前に到着すると、投票者は立会人の案内を聞いた上で、あらかじめ用意された架空の候補者の氏名を投票用紙に書き込み、投票箱に紙を入れた。立会人2人のうち1人は、試験的に小型の分身ロボットを使用して遠隔地から見守った。
模擬投票に参加した柳原敏明さん(68)は「この地区は老夫婦だけの世帯も多いので必要な仕組み。スマホで予約したが、手順に沿ってやっていけばなんとかなる」と話した。