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自転車盗29.8%増 無施錠7割 茨城県警、昨年まとめ 鍵かけを啓発

学生に自転車の施錠を呼びかけたキャンペーン=水戸市文京の茨城大
学生に自転車の施錠を呼びかけたキャンペーン=水戸市文京の茨城大


茨城県内で自転車盗難の被害が増加している。県警が昨年1年間に認知した被害は前年比29.8%増の2118件。被害に遭った自転車の約7割は無施錠だった。通学などに利用する大学生や高校生の被害が多いことから、県警は学校や教育委員会と連携し、学生たちに鍵かけの意識啓発に乗り出した。

県警のまとめでは、自転車盗難の認知件数は、2021年の1322件から、22年は1632件に増加。全国でも同様の傾向で、警察庁によると、22年の認知件数は前年比約20.9%増の12万8千件余り。1日当たり約350台が盗まれている計算だ。

県警が昨年認知した被害のうち、施錠していなかった自転車は全体の約7割に上った。中でも、無施錠で被害に遭った人の半数超は高校生や大学生だった。盗まれた自転車は高額なものが少なく、移動手段として盗まれる場合が多いとみられる。

捜査関係者によると、盗まれて乗り捨てられた自転車を、別の人物が占有して乗っていたケースもあったという。

県警の管轄別では、つくば署が436件と最多で、水戸署325件、土浦署236件と続いた。いずれもアパートやマンション敷地内の被害が多く、主要駅や大学の周辺でも目立った。

県警は、盗難被害を防ぐには、自転車を利用する学生の防犯意識高揚が鍵を握るとみて対応を強化。26日には茨城大(水戸市)でキャンペーンを実施し、自転車利用の学生に施錠を呼びかけるとともに、鍵の付いていない自転車に乗った学生にワイヤロック錠を渡した。

今後は筑波大でも同様の取り組みを企画し、高校生に対しては県教委を通して施錠の徹底を通知する方針。被害多発地域では学校訪問も検討する。また、駅周辺の被害防止については、各警察署長が自治体を訪問し、駐輪場への防犯カメラ設置や職員巡回を依頼したい考えだ。

県警生活安全総務課の豊嶋陽一総括理事官は「自転車は誰でも盗まれる可能性がある。油断せずに鍵をかけて。二重ロックにするとさらに安全になる」と強調し、利用者に防犯対策強化を呼びかけた。



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