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小澤征爾さん死去 世界的指揮者 茨城・水戸芸術館長 88歳、文化勲章受章者【更新】

水戸室内管弦楽団の定期演奏会で指揮をする小澤征爾さん=2012年1月19日、水戸芸術館コンサートホールATM
水戸室内管弦楽団の定期演奏会で指揮をする小澤征爾さん=2012年1月19日、水戸芸術館コンサートホールATM


米ボストン交響楽団やウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めるなど国際的に活躍し、「世界のオザワ」として幅広い人気を集めた指揮者で文化勲章受章者の小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、心不全のため東京都の自宅で死去した。88歳。旧満州(現中国東北部)生まれ。2013年から茨城県水戸市の水戸芸術館館長。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開くことを検討している。

桐朋学園で斎藤秀雄に指揮法を学んだ。1959年にフランスのブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、一躍脚光を浴びた。カラヤン、バーンスタインら名指揮者に師事し、米サンフランシスコ交響楽団音楽監督などを歴任、海外で活躍する日本人指揮者の先駆けになった。73年~2002年にボストン交響楽団の音楽監督を務め、世界的な評価を確立した。

02年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートを日本人として初めて指揮。10年までウィーン国立歌劇場の音楽監督を務め、ウィーン・フィルの名誉団員となった。

国内では新日本フィルハーモニー交響楽団の「桂冠(けいかん)名誉指揮者」、水戸室内管弦楽団の音楽顧問。長野県松本市の音楽祭「セイジ・オザワ松本フェスティバル」(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル松本)の総監督を務め、13年に水戸芸術館館長に就任。京都などで開催の「小澤征爾音楽塾」を主宰するなど、後進の指導に取り組んだ。

水戸芸術館の館長に就くと、師と仰いだ音楽評論家で初代館長の吉田秀和氏(12年死去)の方針「水戸から世界へ芸術文化発信」を継承。その上で「水戸の人たちにとって芸術を身近なものにしたい」と語り、「子供のための音楽会」では、市内の子どもたちに音楽の魅力を直接伝えた。

努力家として知られる一方、気さくで明るい性格で親しまれた。作家の村上春樹さんやファッションデザイナーの森英恵さんら交友関係は幅広く、村上さんとの共著「小澤征爾さんと、音楽について話をする」は小林秀雄賞を受賞した。10年に食道がんの摘出手術を受け、晩年は降板と復帰を繰り返したが、音楽への情熱は燃やし続けた。

昨年9月、長野県松本市での公演のカーテンコールに車いすに乗って登場したのが、公の場に姿を見せた最後となった。

08年に文化勲章。16年に米グラミー賞。著書にエッセー「ボクの音楽武者修行」、作曲家の武満徹さんとの対談集「音楽」など。長女はエッセイストの征良さん、長男は俳優の征悦さん。



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