茨城県境町のふるさと納税 かば焼き、干し芋好評 返礼品加工2施設完成
茨城県境町が同町上小橋に整備していたふるさと納税返礼品をつくる農水産物の加工出荷施設が完成した。ウナギの加工施設は町などが主導する「利根川鰻(うなぎ)復活プロジェクト」に賛同した建築家、隈研吾氏が設計した。同町2カ所目となるサツマイモの加工施設は新商品の開発や干し芋の製造を行う。
ウナギの加工施設では、宮崎市の「大森淡水」が提供するかば焼きの冷凍品を仕上げ加工し、1日最大5千匹を扱う。建物内の空きスペースは別の企業の物流倉庫としても活用する。建物の外装は、杉板を曲線的に配してウナギの姿を表現した。同氏が設計監修した施設は町内8カ所目。
サツマイモの加工施設は、返礼品の干し芋が好評のため増設された。保管庫は100~120トンが収納可能で、室温13度で低温熟成させる。平干しと丸干しを1日に330キロ製造できる。
2020年8月にオープンした干し芋加工施設と合わせ、1日当たり計530キロとなる。
両施設ともさかいまちづくり公社(野口富太郎社長)が運営し、同公社は町に施設使用料(家賃)を15年間支払う。既に稼働しており、50人を超える新規雇用を生み出した。
落成式が1月30日に開かれ、橋本正裕町長は「新たな返礼品が加わることで、ふるさと納税は100億円を超えるとみている」とあいさつ。隈氏はビデオメッセージで「杉の板を曲げて曲線を描いた工場はどこにもない。世界に誇れる素晴らしい工場」とコメントした。