茨城県防災ヘリ「つくば」 3代目就航 新装置で安全性向上
3代目となる茨城県防災ヘリコプター「つくば」の運航が始まった。16日、拠点のつくばヘリポート(茨城県つくば市上境)で就航式が開かれた。県の防災担当者や県議、消防関係者らがテープカットを行い、災害時の人命救助や消火活動などでの活躍に期待を寄せた。
県は1995年、防災ヘリを初めて導入。2015年の関東・東北豪雨や19年の東日本台風に伴う水難救助などで活躍。栃木県内の山火事の消火活動、山岳救助や救急搬送にも役立てられている。これまでの総飛行回数は初代、2代目を合わせて計7466回、総飛行時間は計7509時間に上る。
新たな導入機は川崎重工業製で全長13・4メートル、幅1・7メートル、高さ4メートルの12人乗り。最大速度259キロ、最大航続時間3時間半、最大航続距離650キロ。2代目(10年導入)の老朽化に伴い16億4780万円で更新、9日から運航を始めた。
エンジン性能は旧機と比べて10%アップ。操縦なしに空中で安定的に停止する自動ホバリング装置を備え、救助活動時の安全性が向上した。機体底部に装着する消火タンクは最大容量960リットルで、従来より多量の水を迅速に運搬できる。
就航式には、県消防協会長の葉梨衛県議や県内の各消防本部長ら約70人が出席した。県防災・危機管理部の山崎剛部長は「性能の向上により今後の消防防災活動に貢献できると考えている」とあいさつした。
式典に続き、県防災航空隊員11人がデモンストレーションを行い、空中で機体から散水する様子などを披露した。