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海岸の砂防林再生へ 茨城・東海 照沼小児童、クロマツ植樹

村松海岸でクロマツの苗木を植樹する照沼小の児童ら=東海村村松
村松海岸でクロマツの苗木を植樹する照沼小の児童ら=東海村村松


松くい虫の被害を受けた砂防林を再生しようと、茨城県東海村村松の村松海岸で、村立照沼小(石井邦典校長)の5年生17人がクロマツの苗木90本を植樹した。植樹体験はクロマツ林の緩やかな再生を目指す、村の「村松晴嵐(せいらん)『クロマツ林』リジェネプロジェクト」の一環。村は森林環境譲与税を活用し、2019年度から5年計画で環境整備と植樹を行っている。

同海岸周辺は、海からの風や砂を防ぐクロマツ林が約160ヘクタールにわたり広がっている。「村松晴嵐」として、水戸八景や東海十二景の一つに選ばれ、景勝地としても親しまれてきたが、松くい虫による松枯れ被害が進み、景観が大きく損なわれている。

児童らは今月19日、学校でマツの役割や砂防林造成の歴史を学んだ。村の担当者が、大風で集落が砂に埋まってしまったという「千々乱風(ちぢらんぷう)伝説」を紹介しながら砂防林の役割を解説。約100年前に大規模な植林が行われたこと、同プロジェクトで実施した植樹の内容などを説明した。

児童らは、バスで同海岸へ移動。「村松晴嵐の碑」周辺で、4年前に植樹した苗木の成長の様子を見学し、海岸に設けられた植樹エリアで植樹した。

植え方の指導を受けた後、20センチのクロマツの苗木を受け取り、スコップで穴を掘って、1本ずつ丁寧に植えていった。

桑原鈴音さん(10)は「クロマツのことを知ることができて勉強になった」、飯島朱俐(あかり)さん(11)は「大きく、たくましく育ってほしい」と笑顔で話した。

12日には、一般の住民らによる植樹体験会が開かれ、親子連れなど約30人が128本を植樹した。

村によると、この5年間で植樹した本数は2千本を超える。

同村農業政策課主事の沼田胡桃(くるみ)さんは「体験を通じて、クロマツに関心を持ってもらえたと思う。植えて終わりではなく、保全についても考えていきたい」と述べた。

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