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イノシシ捕獲、メールで通知 茨城・高萩で実証実験 わなにICT活用 猟師の見回り負担軽減

情報通信技術を活用したわなの実証実験=高萩市君田地区
情報通信技術を活用したわなの実証実験=高萩市君田地区


農作物を荒らすイノシシなど害獣捕獲を巡り、情報通信技術(ICT)を活用したわなの実証実験が茨城県高萩市で進められている。害獣がわなにかかるとメール通知される仕組みで、険しい山林を見回る作業の効率化を図るのが狙い。駆除を担う猟師は高齢化などで人手不足に陥っており、最新技術で負担軽減を目指す。

実験は同市君田地区に処理場がある食肉加工業「K&K」が実施。三重県の企業が開発した捕獲システムを採用した。くくりわなに害獣がかかって暴れると、ワイヤでつないだ子機が反応し、親機を通して設置者のスマートフォンなどに通知される。電波が届かない山間部でも通信できる。同地区の山中や獣道に計15個のわなを設置した。

茨城県は2018年、イノシシ対策条例を施行し、捕獲の強化や侵入防止柵の設置などを促進。近年は豚熱(CSF)の感染拡大で個体数が減少しているとみられ、22年度の農作物被害は県全体で前年から1千万円減少し約5200万円となっている。

ただ、捕まえたイノシシの逃亡防止や非害獣の動物保護のため毎日わなを見回る必要があり、猟師の負担は少なくない。山の上り下りやガソリン代など身体的、金銭的な負担も重くのしかかる。

県猟友会などによると、14年に2673人いた狩猟登録者数は、23年に1995人と10年間で約700人減った。平均年齢も65歳となり、担い手不足と高齢化が課題という。

このため、ICTを活用した効果的な害獣駆除に注目が集まっており、茨城県内では笠間市や大子町、城里町などで、遠隔操作や監視ができたり、捕獲が確認できたりする機器が導入されている。

高萩市で鳥獣被害対策実施隊員を務める近藤利裕さん(72)は最大30個のわなを仕掛ける。山中に設置したわなの見回りでは、1カ所確認するのに30分から1時間かかるという。ICT活用のわなについて「時間短縮になるし、体やガソリン代の負担が減るのは助かる」と歓迎する。

同地区での実証実験は24年末まで続く予定。今後は必要に応じて機器のレンタルなども検討する。

同社社長の加藤仁郎さん(55)は「担い手が減ればイノシシは増え、被害が拡大する。猟師が駆除を続けられるよう負担を減らせれば」と力を込める。

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