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東海再処理施設 鍵握る新炉 ガラス固化、完了10年延期 70年計画いかに 茨城

作動試験中の新たな溶融炉。ガラス固化作業の再開は2026年4~6月ごろの予定(日本原子力研究開発機構提供)
作動試験中の新たな溶融炉。ガラス固化作業の再開は2026年4~6月ごろの予定(日本原子力研究開発機構提供)


日本原子力研究開発機構(原子力機構)の東海再処理施設(茨城県東海村)で、放射性物質を溶けたガラスに混ぜて固める「ガラス固化体」の作業計画が遅れている。トラブルで中断が相次ぎ、製造完了時期は当初予定からさらに10年延期された。今後の作業は新溶融炉の導入が鍵を握る。

再処理施設は、原発などでの使用済み核燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出す施設。燃料を溶かすなど再処理の工程では、大量の放射性物質を含む廃液が残る。廃液は冷却機能が失われると沸騰して水素爆発につながる恐れがあるため、溶けたガラスに混ぜて固め、安定させた状態にする必要がある。

原子力機構は2014年、同施設が本格運転から30年以上経過して老朽化し、管理に巨額の費用がかかるとして廃止を決定。現在は原子力規制委員会の審査を受けながら廃止措置に臨む。

ガラス固化体は「廃止を進める上で最も大事」(担当者)とされているものの、作業は機器トラブルで何度も中断。計画では約880本製造することになっているが、現在は354本と半分以下。機構側は昨年の規制委の審査で、作業の完了時期が当初の28年度末から38年度末に遅れるとの見通しを示した。

機構側は、現在の溶融炉に代わる新炉に切り替える方針で、22年から中断が続くガラス固化作業を、26年4~6月ごろに再開させたい考え。

廃止措置を巡っては、約70年に及ぶ期間の長さが最大の課題だ。担当者は「数世代にわたるプロジェクトで、多岐にわたる課題を解決する必要がある」と強調。規制委の審査でも、委員から「技術継承」の重要性を指摘されているという。

ガラス固化の要となる溶融炉を製造するメーカーは国内で1社のみ。このため、委員からは後継炉の必要性に加え、今後も生産体制を確保できるよう求める声が上がった。

機構側は、後継炉の稼働に向けた準備や情報収集を進めるとともに、部品調達などでは「メーカーの下請け企業の状況も把握し、先行納入も考えたい」と稼働後を見据えた対応も模索。このほか、熟練技術者の知見を文書やデータベースにまとめ、若手への技術継承にも取り組む。

長期にわたる廃止作業で、機構側が重視するのは、これら部品調達や技術継承などの持続可能性。担当者は「原子力分野の関係者と協力体制を築き、技術を維持させたい」と話した。

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