栃木女児殺害 証拠の手紙、疑問点を説明 受刑者の支援者 茨城・常陸大宮で学習会
2005年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で無期懲役が確定した勝又拓哉受刑者(41)の支援者らが10日、茨城県常陸大宮市北町のおおみやコミュニティセンターで学習会を開いた。事件を調査している映画監督の周防正行さん(67)が講演したほか、勝又受刑者の家族が有罪の証拠となった家族宛ての手紙について説明した。
学習会には日本国民救援会や「えん罪今市事件・勝又拓哉さんを守る会」の会員ら約100人が参加。弁護団の泉沢章弁護士は勝又受刑者は自白を強要されたなどとし、「再審請求に向けた準備会で証拠を見直している。自白(と証拠)の矛盾を突きたい」と現状を報告した。
周防さんは講演で、弁護団の再現実験の撮影に協力する中で、証拠の疑問点などに気付いたと説明。「今市事件は公正に裁かれたとはいえない」と述べた。
勝又受刑者の弟は、勝又受刑者が母親に宛てた謝罪の手紙について、「家族は当時、今市事件の取り調べを受けていることすら知らなかった。兄は今市事件のことではなく、定職に就かなかったことを謝っていると思っていた。有罪の証拠となり不本意」と話した。
事件は同年12月1日、今市市(現日光市)で、小学1年の吉田有希ちゃん=当時(7)=が下校中に行方不明となり、翌2日に常陸大宮市の山林で遺体で見つかった。14年6月、栃木、茨城両県警は、別事件で逮捕されていた勝又受刑者を殺人容疑で逮捕。勝又受刑者は捜査段階で殺害を認めたが否認に転じ、一審、二審で無罪を主張した。20年3月、最高裁が上告を棄却し、無期懲役とした二審東京高裁判決が確定した。