茨城・大洗町で断水 全域に影響 復旧完了も水の濁り続く 水道管劣化で破損か 近隣から給水車【まとめ】
12日午前4時ごろ、茨城県大洗町成田町の町夏海浄水場から延びる水道管で漏水があり、町内全域で断水や水の濁りが発生した。老朽化で破損したとみられ、漏水は復旧工事が完了した同日夕まで続いた。町は町内6カ所に給水所を設けたり、集会所に仮設トイレを設置したりして対応に追われた。
町によると、漏水したのは同町大貫町の水道管で、町内へ水を行き渡らせるメーンの本管(直径40センチ)。1971年に敷設されてから50年以上が経過していた。漏水により水道管内の水圧が下がったため、高台にある東光台地区で断水、他地区でも水が出にくくなったり、水が濁ったりした。
漏水は同日午後も止まらなかったため、町は同浄水場からの送水を一時中断して復旧工事に着手。午後6時半ごろまでに終了したが、しばらくは水が濁った状態となるため飲用には使えないという。
漏水の影響は町内約6700世帯におよび、早朝から職員らが対応に当たり、閉庁後も給水作業を続けた。水戸市や笠間市、ひたちなか市、鉾田市など近隣自治体からも給水車が派遣された。町内の4小中学校は同日午後から臨時休校となり、13日も休校する。
町内には今回漏水した水道管と同様に老朽化した配管が27.4キロにわたって敷設されており、町が順次入れ替え工事を行っていた。
町内の給水所では、ポリ容器などを持って並び、水を求める町民たちの姿が見られた。給水を受けた同町の佐藤清さん(68)は「飲み水がないのが一番困る」と不安そうに話した。
漏水について、国井豊町長は「町民の皆さんにご迷惑をおかけして、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。