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水道管、進まぬ耐震化 茨城県内45% 財源や人材不足



茨城県内の主な水道管の耐震化率が平均で約45%にとどまっていることが14日、県への取材で分かった。能登半島地震では各地で断水が発生した。自治体では財源不足や人材難が課題で、一気に進まないのが実情。県内では東日本大震災で広範囲にわたって水道施設の被害が出ており、県は早期改善を進めたい考え。

茨城県の耐震化率は2022年3月末時点で45・3%(全国平均41・2%)。東日本大震災直後の11年3月末時点は29・2%で、10年間の伸び率は16・1ポイントにとどまっている。国は耐震化率を28年度に60%以上とする目標を掲げている。

基幹管路のない神栖市を除く43市町村を見ると、水道管の延長距離が比較的短い東海村と阿見町が100%に達している。次いで守谷市が94・7%、かすみがうら市88・5%。一方、城里町9・6%、大洗町5・1%など16市町が10%以下にとどまる。

耐震化率は、河川や井戸の水を浄水場まで運ぶ導水管、浄水を住宅に送る基幹的な水道管が対象となる。

市町村は独立採算制で水道事業を運営しており、耐震化には水道料金の引き上げなどが必要。県の担当者は「(値上げに)理解は得にくい。浄水場の維持費確保も必要で、水道管を更新する余裕がない自治体が多いのでは」と話す。

採算を確保するため配置する職員を減らすケースもあり、更新が進まない現状もあるという。

茨城県では東日本大震災で39市町村で断水が発生。北茨城市では地震と津波で水道管が損傷し、潮来市など鹿行地域を中心に液状化、神栖市では復旧まで2カ月かかった。

能登半島地震では石川県で最大16市町の約11万戸が断水し、発生から1カ月たっても約4万戸が未解消。同県の水道管耐震化率は21年度末で36・8%だった。

茨城県では自治体間の格差を是正しようと、県が「県水道ビジョン」を22年度に策定。浄水場の統合、複数自治体の共同運営での人員やコストの削減を目指す。担当者は「国が求める耐震化率まで引き上げが必要」としている。



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