茨城・古河市の住宅取得奨励金 市民にも対象拡大 転出防止
茨城県古河市は2024年度から、市内に一戸建て住宅やマンションを購入した転入者に交付していた奨励金の対象を市民にも広げる。子育て世代の転出を防ぐのが狙いで、市が定める区域に住宅を取得した世帯に10万~50万円を交付する。7月から申請受け付けを始める。
交付金の名称は「若者・子育て世帯まちなか住宅取得奨励金」。同市の立地適正化計画に基づき、工業地域と工業専用地域、さらに5メートル以上の浸水想定エリアを除く市街化区域を「市内居住誘導区域」とした。
対象者は今年1月1日から26年末までに、同区域に住宅を取得した39歳以下または15歳以下の子どもを養育する世帯。取得した住宅に3年以上居住する意志も要件の一つ。
奨励金の基本額は10万円。市内居住歴が5年から10年未満は10万円、10年以上は20万円がそれぞれ加算される。そのほかの加算条件には市内建設業者の利用や子どもの人数、2世帯同居などがある。
市は、大手トラックメーカー日野自動車の工場誘致に伴い、2015年度から転入者を対象に最大150万円を交付する「企業誘致等に伴う若者・子育て世帯定住促進奨励金」などを実施してきた。
市シティプロモーション課は「転入者を増やすだけでなく、転出者の数をできるだけ減らすことも重要。古河に長く暮らしてもらうためにも奨励金制度を活用してほしい」と話している。問い合わせは同課(電)0280(92)3111。