洋菓子のプレジィール 茨城・下妻に工場 28年稼働 同社最大、300品目
洋菓子製造販売のプレジィール(東京)は28日、茨城県下妻市の工業団地に同社最大となる新工場を整備すると発表した。2028年の稼働を目指し、将来的に約300人を雇用する方針。2024年問題などによる物流コスト上昇を背景に、売り上げの多くを占める関東地域への供給効率化を進めるほか、輸出を見据えた生産体制の強化を図る。
同社は2月20日、下妻市開発公社と土地売買予約契約を締結。同市古沢のしもつま中央工業団地内に3・7ヘクタールを取得し、新たな生産拠点を整備する。用地の取得額は約12億円。
新工場では洋菓子200~300品目を生産する。28年に操業を始め、30~32年をめどにフル稼働を目指す。最終的な生産能力は、売上高ベースで年500億~600億円を想定。名古屋市と三重県桑名市で操業する既存2工場の合計400億~500億円と比べ「国内最大の生産拠点」(同社)として整備する。
安井元浩社長と下妻市の菊池博市長らが28日、県庁を訪れ、大井川和彦知事に工場進出を報告。安井社長は、関東での販売が商品売り上げの7割を占めるとし「物流コストの高騰を背景に効果的な供給体制を構築する」などと説明した。
同社は今後の10年間で、海外売上高を国内と同水準まで引き上げる計画。下妻市への進出について安井社長は「関東圏への供給だけでなく、海外への輸出など新規事業も見据えた生産拠点にする」と語った。
同工業団地は同公社が昨年6月に着工。スナック菓子大手のカルビー(東京)のほか1社が既に予約契約を結んでいる。プレジィールとの契約により、昨年9月の公募開始から6カ月で全3区画が完売となった。
菊池市長は「誘客施設の整備などもお願いしている。雇用は厳しい状況にあるが、市も全面的にバックアップしたい」と支援する考えを示した。