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茨城・水戸の呉服店、販売に力 石川の手仕事支えたい 本加賀友禅 牛首紬 売り上げの一部 被災地へ

美乃善店長の木村託也さんが手にするのは、寒色系の濃淡が上品な牛首紬の小紋。本加賀友禅の訪問着(左と後方)は独特の技法「虫食い葉」を手描きで表現=水戸市見川
美乃善店長の木村託也さんが手にするのは、寒色系の濃淡が上品な牛首紬の小紋。本加賀友禅の訪問着(左と後方)は独特の技法「虫食い葉」を手描きで表現=水戸市見川


能登半島地震の影響で生産の落ち込む石川県の手仕事を支えようと、茨城県水戸市見川の呉服店「美乃善(みのぜん)」は、伝統工芸品の本加賀友禅と牛首紬(うしくびつむぎ)の販売に力を入れている。手頃な値段で扱い、売り上げの一部を被災地に寄付する予定で、店長の木村託也さん(44)は「石川の本物の品を一人でも多く身に着けてもらい、現地の染色作家や生地工房の仕事を手助けしたい」と話している。

全36種の伝統工芸品が息づく同県には、日本三大友禅に数えられる染色技法「本加賀友禅」(金沢市)や、柔らかな感触ながら、くぎが抜けるほどしっかりとした生地で〝釘抜(くぎぬ)き紬〟の異名を持つ「牛首紬」(白山市)、透け感からセミの羽に例えられる最高級麻織物「能登上布」(羽咋市)などがある。

同店はこうした品物を東京・日本橋の問屋から仕入れており、被災地の惨状を知った木村さんは「工房は制作を続けられる状況なのだろうか」と懸念。取引のある本加賀友禅の染色作家は金沢市に、牛首紬の生地工房は白山市に拠点があり、壊滅的な被害は免れたが、「非常事態に生産を続けるのはためらわれる」や「金沢市や京都の染色工房が注文を控えて売り上げが落ちた」と苦境に陥っている状況を聞いた。

被災地の職人のなりわいを支えたいと、3月頭から支援セールを開始。「加賀五彩」の柔らかな5色を基調に花鳥風月を表現した本加賀友禅の手染め訪問着や、希少な玉繭から手紡ぎした糸の「節」が味わい深い牛首紬の帯、小紋などを求めやすい価格で取りそろえた。 いずれも図案作成や彩色、手びきや機織りなど、多岐にわたる工程を積み重ねて生まれる伝統工芸品。

木村さんは「新型コロナ禍や今回の地震など、着物業界には逆風が吹き続けている。より多くの人に手仕事の粋を楽しんでもらうことで、職人を支えていきたい」と力を込めた。

セールは今月下旬までの予定。



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