自転車で日立楽しんで 名所巡る4コース設定 路面標示整備も 茨城
自転車を通じた地域活性化を推進するため、茨城県日立市は独自に市内の名所を巡る四つの周遊コースを設定した。本年度からはルートを示す路面標示や案内看板の整備に着手。海を臨む立地を生かして地元の飲食店などと連携したイベントも重ね、サイクリストの呼び込みを強化する。
新たに設定したのは、①ひたち一周(距離75キロ)②日立地区(同38キロ)③十王地区(同17キロ)④多賀・大甕(同21キロ)-の4コース。海と山に囲まれた自然を楽しめ、アップダウンがあるのも特徴だ。
自転車ショップや愛好家、旅館業者などを交えた「市サイクルツーリズム推進検討懇話会」を立ち上げ、まちの魅力を体感できるコースとして設定した。市は前年度にマップを作成し、市ホームページでの公開も始めた。
すでに県がモデルルートの一つとして設定している「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」の中で同市は、市南部の久慈浜地区からJR日立駅周辺までの海沿いがコースに含まれている。これに対して市の周遊コースは、サイクリストを街中に誘導する「支線」の位置付けだ。
マップでは、地元の海産物を食べられる飲食店やパワースポットで有名な神社、かみね公園、ウミウで知られる鵜の岬などを「おすすめ発着スポット」として紹介。工場群のそばを走ったり、市西部の山間部まで足を延ばしたりするコースもある。
ハード面では本年度から順次、周遊コースとして設定した道路に、ルートを示す矢羽根型の路面標示や案内・誘導看板の整備を始める。サイクリストの安全性や利便性を高めるのが目的で、工事は段階的に進めていく方針だ。
先月30、31両日には、自転車で市内の名所や飲食店を巡り、集めた得点数を競う「ライドアラウンドin日立」を前年度に続き開催。初めて2日間の日程で企画し、県内外から約150人が参加した。
市は「宿泊や飲食の機会を増やすことでまちの活性化につながれば」と説明し、本年度もサイクルイベントを開く。