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公文書保存 舞台裏学ぶ 参加者「使命感に感銘」 国立公文書館つくば分館 茨城

公文書のくん蒸部屋を見学する参加者=つくば市上沢
公文書のくん蒸部屋を見学する参加者=つくば市上沢


歴史資料として重要な公文書を永久保存する国立公文書館つくば分館(茨城県つくば市上沢)で6日、見学ツアーが開かれた。参加者は普段見ることのできない「くん蒸部屋」「専用書庫」などのバックヤードに足を踏み入れ、職員の説明に熱心に耳を傾けた。


ツアーは昨年に続き2回目。今年は5~7日の日程で行われ、6日午前の部には約20人が参加した。

つくば分館によると、行政機関などから受け入れる文書は年間4万5千冊、段ボール箱にして5千箱に上る。受け入れた文書はかびや虫害による劣化を防ぐため、10日間の作業工程でくん蒸処理を行い、1冊ごとに目録を作成した上で、専用書庫で保管する。

参加者は、文書が永久保存されるまでの流れを動画で理解した後、バックヤードに出発。くん蒸部屋では紙媒体にとって大敵である害虫の話を聞き、専用書庫では適切な温湿度管理、火災に備えた対応などについて説明を受けた。

埼玉県から参加した図書館司書の佐藤直子さん(30)は「次の世代に文書を残す使命感に感銘を受けた」、つくば市の小学5年、吉村慶亮君(10)は「くん蒸部屋はガスマスクを着けて作業していると聞き、びっくりした」と話していた。

岩間裕史つくば分館長は「公文書は国民共有の知的資源。受け入れた文書は1年以内にデジタルアーカイブで公表できるように日々業務を進めている。今後もさまざまな企画を行うので、多くの人に公文書館の仕事を知ってもらいたい」と語った。



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