城里産茶葉をPR 町乾杯条例が施行 古内茶など産業振興 茨城
地元産茶葉の普及を図ろうと、茨城県城里町と生産者団体がタッグを組み産業振興に乗り出した。同町は今月、町内産のお茶や紅茶での乾杯を推進する「地元茶等による乾杯推進条例(乾杯条例)」を施行。生産者らは「乾杯で販売促進を」と呼びかけ、町の産業活性化につなげたい考えだ。
同町の古内地区は茨城三大銘茶の一つ「古内茶」の産地として知られるが、隣接する七会地区にも生産者が多く、茶の栽培が盛ん。町内にはJA水戸古内茶生産組合と、一番茶で作るペットボトル商品「常陸のしずく」を販売するJA常陸笠間茶生産部会がある。同部会員の多くが七会地区の生産者。両者はこれまでも同じ町内で茶葉を生産してきたが、所属するJAが異なっていたこともあり連携や交流に取り組むのは今回が初めてという。
町乾杯条例は3月の町議会で提案され、賛成多数で可決。城里産の茶葉を原料とした緑茶、紅茶などの飲料での乾杯を推進することで、町と生産者らが地元茶葉の普及促進を図り、町の産業活性化につなげるのが主な目的だ。
二つの生産者団体の役員らは6日までに町役場を訪れ、上遠野修町長と懇談。地元産のお茶の普及を通して、町内の産業活性化に歩調を合わせて取り組むことを申し合わせた。
懇談で同組合長の大坪薫さん(66)は「乾杯の取り組みが広まれば、販売促進につながる。伝統的な産業を継続していくために(協力は)必要」と連携の必要性を強調。同部会長の河原一男さん(75)も「ペットボトル入りは乾杯の場でも使いやすい」と消費拡大に期待を寄せた。
上遠野町長は「まずは行政機関が催す公の場で、城里のお茶で乾杯する姿を見せたい」。12日に茨城県水戸市内で開く会合で、城里産のお茶で乾杯する予定だ。来月3日には同市の常磐神社のイベントで町観光物産品の販売コーナーを出展。会場で条例制定をアピールし、「城里がお茶の産地であることを認識してもらい、地元のお茶を飲もうという機運が高まれば」と話した。