外国客船、寄港最多に 茨城県内、24年度 誘致強化で6隻
茨城県内で2024年度に寄港する国際クルーズ船が過去最多の6隻となることが6日、県のまとめで分かった。新型コロナウイルスの5類移行で港湾への受け入れ制限が大幅に緩和されて以降、県は米国での商談会出店や旅行会社向けの県内視察ツアーなど、誘致戦略を強化している。
寄港するのは、茨城港常陸那珂港区で、14日に「セブンシーズエクスプローラー」(米国、乗客定員732人)、7月2日と8月4日に「ダイヤモンド・プリンセス」(同、2706人)、9月24日に「シーボーン・オデッセイ」(同、458人)。同大洗港区では、8月31日に「ナショナルジオグラフィックレゾリューション」(同、126人)、10月27日に「レガッタ」(同、684人)で、23年度の3隻を上回る6隻が決まっている。
各船は東京や横浜、米国などを発着し、国内外を周遊する。茨城県内では偕楽園(水戸市)や国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)、笠間稲荷神社(笠間市)などの周遊ツアーが組み込まれる予定。県は各船の寄港に合わせ、歓迎セレモニーの開催や県産品の販売などを行う。
国内クルーズ船の寄港も進む。常陸那珂港区で2日に飛鳥Ⅱ(872人)が寄港。大洗港区で7~10月の計4回、にっぽん丸(400人)が発着や寄港する計画で、既に23年度の6隻に迫る勢いだ。県港湾課によると、今後も増える可能性があるという。
県は17年度から、両港区への国際クルーズ船の誘致を本格化し、19年4月に初めて米国の「セブンシーズマリナー」が常陸那珂港区に寄港。その後も複数の受け入れが決まっていたが、新型コロナの影響で中止に追い込まれていた。
政府が国際クルーズ船の受け入れを再開したことから、県内では23年4月、4年ぶりに「ダイヤモンド・プリンセス」が常陸那珂港区に寄港。さらに「セブンシーズエクスプローラー」と「レガッタ」の2隻が続いた。受け入れが相次いだ背景には、新型コロナの5類移行で県や地元自治体などによる事前協議が廃止され、制限が大きく緩和されたことがある。
県は、クルーズ船を対象とした米国での商談会にブースを出店するなど茨城観光のPRを強化。ツアーを企画する旅行会社には、干し芋や提灯(ちょうちん)づくり、武道体験など現地視察も勧めている。
県港湾課は「常陸那珂、大洗の両港区をインバウンド(訪日客)の玄関口として、大小さまざまなクルーズ船を誘致したい」としている。