茨城県常陸大宮市長選立候補者の横顔(届け出順)

任期満了に伴う茨城県常陸大宮市長選が7日に告示され、いずれも無所属で、現職の鈴木定幸氏(57)と新人の倉田稔之氏(65)が立候補した。2人の横顔を紹介する。
■鈴木定幸(すずきさだゆき)氏(57) 市長 無現 人口流出歯止めに力
「常陸大宮市に住むのがおしゃれ。他に負けない街づくりを、との思いで人口流出を防ぐ施策に取り組んできた。一定の道筋は付けられたと思う」と1期4年間を振り返る。
市民が水戸市などに勤めに出て、近隣に居宅を構えてしまう傾向が強い現状を「何とか食い止めよう」と、市中心部の〝高台〟に子育て世帯向け住宅を整備。玄関口となる常陸大宮駅周辺の再開発にも着手した。
御前山ダムの湖面利用、有機農業推進など、県内に先駆けた特色や魅力づくりに尽力したが、「限られた時間と財源で手が付けられない部分も多かった」と話し、2期目挑戦へ「今後は周辺地域の振興や活性化を、目に見える形でお返ししていきたい」と意気込む。
38歳で、親の代から続く石油販売会社の社長に就任。「世の中のルールを決めているのは結局政治家。目指したい」と志し、43歳で県議選に初出馬し初当選。3期務め、前市長の引退を受け「今後は市のために尽くしたい」と転身した。
座右の銘は「なせば成る なさねば成らぬ何事も」。趣味は海での船釣り。妻、長男と3人暮らし。石沢。
■倉田稔之(くらたとしゆき)氏(65) 前市議 無新 駅周辺整備に危機感
「このままでは地域が寂れ、衰退の一途をたどってしまう。ここで、行政の仕組みを変えるフルモデルチェンジが必要」と訴える。
市議2期目を務める中、3回連続無風のまま迎えた今回の市長選や、常陸大宮駅前で計画が進む周辺整備事業への危機感や疑問が膨らみ、出馬を決意した。
特に、生まれ育った地区で進む駅前開発に「地域経済が冷え込み、物価が高騰し人件費が増え続ける中、巨額の予算を掛けていいのか。一部のため、大勢の市民が不利益をかぶってはならない。今後整備されようとしている駅西公園は見直すべき」と主張。区・班制度改革、祭りや文化での活性化、雇用創出など掲げる。
33歳でグラフィックデザイナーとして独立し広告会社経営など経て、2020年の市議補選で61歳で初当選。この間、社会教育委員、まちづくりネットワーク代表など務め、合併10周年音楽祭など企画してきた。
交流サイト(SNS)での発信や交流も得意で、「いろんな人と話しながら、アイデアが湧く」と話す。趣味はアウトドアクッキング。母親と妻、娘3人の6人家族。北町。