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韓国人観光客が過去最多 茨城県内昨年度 ゴルフ場人気

韓国からのゴルフ客に対応するため、韓国語でゴルフ場や宿泊のルールを案内している=潮来市潮来の潮来富士屋ホテル
韓国からのゴルフ客に対応するため、韓国語でゴルフ場や宿泊のルールを案内している=潮来市潮来の潮来富士屋ホテル


茨城県を2023年度に訪れた韓国からの観光客は2万人前後となり、過去最多となることが8日、県の調べで分かった。このうち9割をゴルフ客が占め、県は同年4月の水際対策撤廃と、コロナ禍前のPR活動の成果を要因に挙げる。ゴルフ人気を好機に、良質なゴルフ場が点在する茨城県の魅力をアピールしようと、県は24年度、誘客プロモーションを強化する。

県観光誘客課によると、23年度に県内で宿泊した韓国の宿泊客は2万人前後になる見通し。同年4~12月の段階では延べ1万3950人(速報値)を記録し、最多だった18年度の1万3500人を9カ月間で上回っている。

23年4~12月のツアー数は616件。過去最多だった18年度の384件を大幅に超えた。

韓国ではコロナ禍以降、密を避けられるゴルフの人気が高まった。しかし、日本に比べゴルフ場の数は少なく料金は高い。茨城県内には114カ所のゴルフ場がある。平日や閑散期の利用客の取り込みなど、高齢化や人口減少を見据えた需要の確保が課題となってきた。

県はコロナ禍前から韓国のゴルフ需要に着目し、現地の旅行会社にプロモーションを展開。茨城県のゴルフ場の魅力や成田空港からの近さをPRし、茨城県来訪を促してきた。

実際に、韓国ツアー客の評価は高い。マナゴルフクラブ(同県常陸大宮市)を訪れたソウル在住の男性(67)は「とにかく料金が安い。コースも良く食事もおいしい」と話す。

同クラブの橋本誠一支配人(60)は「昨年に比べ利益が1割ほど増えた。平日に来てくれてプレー時間も短く、マナーも良い」と喜ぶ。今後も利用客の増加を見込み、ゴルフカートの電子案内板に韓国語の表記を加えサービス向上に努める。

潮来富士屋ホテル(同県潮来市)には月平均で500人の韓国客が宿泊し、複数のゴルフ場を巡る長期滞在者もいるという。崔相浩社長(61)は「客はホテル周辺の飲食店で消費し、地域経済の活性化につながっている」と強調する。

こうした流れを受け、県は24年度、現地でゴルフ業界やメディアを対象としたセミナーを開いて誘客を強化。旅行会社を茨城県に招いたファムトリップ(視察旅行)も実施する。宿泊施設だけでなく周辺飲食街をアピールし、夜間の消費を促して観光消費額の拡大を図る。

県北・県央地域のゴルフ場やツアー客からは「空港から遠い」とアクセス改善を要望する声が上がっており、県は今後、茨城空港を発着する直行便の誘致を目指し、旅行会社や航空会社への働きかけを強める方針だ。

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