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野菜高騰、家計に打撃 天候不順影響 価格安定見通せず 茨城

食品スーパーに陳列されたハクサイ=那珂市飯田
食品スーパーに陳列されたハクサイ=那珂市飯田


ハクサイやレタスなど野菜の高騰が続いている。主要8品目の価格はいずれも平年を上回って家計に打撃を与え、茨城県内のスーパーでは食品ロス防止のため発注を減らす動きも。天候不順による出荷前倒しや生育遅れなどが要因とみられ、価格安定は見通せない状況となっている。

農林水産省が3月25~27日に実施した食品価格の動向調査によると、キャベツやハクサイ、レタスなど野菜の主要8品目の価格は平年に比べ9~137%の値上がりとなった。中でもハクサイは3月中旬から値上がりが続いており、仕入れ値が2~3倍に上昇している。

同県那珂市飯田のスーパー「ヒロセヤ」では、平年はハクサイの仕入れ値が1箱(4株入り)当たり千円前後だったが、3月は2500~3千円に高騰。1株当たり700円前後となるため、売り場自体を縮小し、4分の1の大きさにカットした商品を並べている。仲田睦社長は「価格が高い分、ロスが出るリスクもある。(高値の野菜は)発注そのものを抑えている」と話した。

消費者には安価な野菜へ買い替える動きもある。同店に買い物に訪れた70代女性は「値段が高い野菜は無理して使わない」と語り、ハクサイやキャベツなどを避け、比較的安価なコマツナやキノコ類などで代替しているという。

野菜高騰の背景の一つに挙げられているのは、2月にあった季節外れの高温。県内では最高気温20度を超えた日もあり、水戸地方気象台によると、同月の水戸市の平均気温は平年より2度以上高い6・3度。野菜の生育が早まり出荷が前倒しになる半面、3月に入ってからは平年を下回る気温が続き、春野菜などの生育に遅れが生じたとみられる。

同県古河市で約40年間にわたりハクサイ栽培を続ける60代男性は「3月に寒い日が続き生育が遅かった」としながらも、ゆっくり育った分、平年より出来はいいという。

農水省は、高値で推移する主要野菜の価格について、4月後半には「平年並みで推移する見込み」としている。ただ、今年1月にはミカンが品薄になるなど果物を含む出荷前倒しの傾向は昨年から続いており、「今後も同じ状況が続くのではないか」(小売業関係者)との見方も出ている。


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