《解説》茨城・常陸大宮市長に鈴木氏再選 人口減、雇用対策など期待
茨城県常陸大宮市長選は鈴木定幸氏が再選を果たし、今後の4年間もかじ取りを託された。2選を目指す現職に対し、新人が出馬し選挙戦になったことで、鈴木氏の1期目の市政運営に審判が下され、信任を得た。
鈴木氏は「人口流出を防ぐダム(政策)を構築する」と、人口減対策を最優先課題に取り組んできた。働き盛りの市民が水戸やひたちなか市に勤めに出て、近隣に住んでしまう傾向を「何とか食い止めよう」と、市中心部の〝高台〟に子育て世帯向け住宅を整備し、子ども施策も次々打ち出し、常陸大宮駅前開発の取り組みもスタートした。
3期務めた県議時代からの国や県とのパイプも存分に生かし、農地を一体化させ、有機農産物生産の経営拡大を図る農業者を支援する県事業を活用し、難題といわれた、農業用の御前山ダムの湖面利用も実現させ、手腕を発揮した。
鈴木氏は「高齢者支援は大事で今後進めていくが、高齢者の方々に聞くと、自分の子どもや孫の元気な姿を一番願っている。この若者たちの働く場の確保、楽しく暮らせる環境をいかに整備していくかに力を注ぎたい」と意欲を示す。
結果は、相手候補に大差をつけての圧勝だったが、一定の批判票も出たのは確か。「駅前再開発について市民に知らされていない部分が多い」と指摘された。市民への発信の在り方にも気を配りながら、山積する市の課題へのさらなる手腕が期待される。