ゲリラ豪雨を体験 猛烈300ミリ「傘役立たず」 防災科研一般公開 茨城
世界最大級の大型降雨実験施設がある防災科学技術研究所(茨城県つくば市天王台3丁目)で20日、施設の一般公開があり、参加者が「ゲリラ豪雨」を体験し、防災について考えた。
降雨施設は幅50メートル、長さ75メートル、高さ23メートル。天井部に取り付けられた544個のノズルから散水し、土砂災害などの実験を行っている。最大降雨能力は1時間当たり300ミリと猛烈な雨を降らすことが可能だ。
この日の一般公開では、見学コース内に同100ミリ、同300ミリの二つのゾーンを設置。レインコートに身を包んだ親子連れなど約800人がゲリラ豪雨を体験した。
降雨体験は15分間。参加者は同100ミリの猛烈な雨を体験後、同300ミリのゾーンへ移動すると、視界が極端に悪くなったり、地面から跳ね返った水で足元がずぶぬれになったりする姿が見られた。
同県下妻市から訪れた小学6年、幸田帆加(ほのか)さん(12)は「バチバチとすごい音を立てて傘に雨粒が当たった。雨の勢いが強すぎて、傘が役立たなかった」と驚いていた。
降雨施設を担当する水・土砂防災研究部門の酒井直樹副部門長は「今回の体験を生かし、大雨が降った時の避難について家族で話し合ってほしい。雨は低いところにたまるので予測が可能。ハザードマップで普段から危険箇所を知っておくことが重要」と語った。
施設では、模型や実験で地震や津波、竜巻などを学ぶコーナーも用意され、子どもたちが真剣な表情で研究員の説明に聞き入った。