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茨城・笠間の栗 販売強化 県出資、通年で加工

期間限定で栗の加工品を製造している「笠間栗ファクトリー」=笠間市手越
期間限定で栗の加工品を製造している「笠間栗ファクトリー」=笠間市手越
生産した栗の甘露煮(同社提供)
生産した栗の甘露煮(同社提供)


茨城県は本年度、「笠間の栗」のブランド力強化に向け、栗の加工・製造などを行う「笠間栗ファクトリー」(笠間市)に出資する。冷蔵施設を整備し、年間を通した原料の安定供給体制を確立。食品加工の専門家を配置し、品質向上を図る。生産から販売まで、地域と一体となった仕組みを構築し、販路を広げ、笠間の栗の普及拡大を目指す。

茨城県の2022年度の栗生産量は3670トン。栽培面積、収穫量ともに全国1位を誇る。特に笠間市は、全体の約3割を占める最大の栗産地となっている。

栗は県がPRに力を入れる農産物の重点5品目の一つ。モンブランブームなど栗の加工品の需要が高まる現状を好機と捉え、県は本年度、同ファクトリーに3500万円を出資する。

具体的には、①冷蔵施設の整備などによる原料供給の強化②生産ラインのフル稼働による加工品の供給拡大③加工品を活用した名産品の開発④名産品を柱とした同市への集客促進-の4本柱を挙げる。

さらに、同社に食品加工の専門家1人を配置し、品質向上を図る。「原料を高単価で買い取り、加工品を高価格で販売することで、生産者の所得向上につなげたい」(県産地振興課)考えだ。

同社は21年、笠間市とJR東日本、JA常陸の3者で設立。翌22年秋から栗加工品の製造を開始した。栗の収穫時期に合わせ、9月から2月中旬まで半年の期間限定で「栗ペースト」や「甘露煮」「むき栗」を製造してきた。

硬い皮をむき、生の栗を加工する手間が省けると好評で、販売先はJR系列のホテルや県内外の和洋菓子店など年々拡大。現在の取引先は150社以上。今秋から「渋皮煮」の販売を始める。

同社によると、原料の栗はJA常陸を中心に、一部個人農家から仕入れている。23年は計72トンを購入した。工場をフル稼働する量には達しておらず、原料を保管する冷蔵施設を整備することで、安定供給につなげる。同社の石井克佳常務は「加工に向く大きさの栗が十分に確保できれば、年間を通して製造したい。働く人の安定した雇用にもつながる」と話す。

東京都中央卸売市場の統計では、京都府産の1キロ当たり2464円に対し、茨城県産栗は1キロ当たり832円と3分の1程にとどまる。同課は「他産地と比べ単価が安く、利益が出にくい構造」と話す。

品質向上と安定供給は、ブランド力の強化に欠かせない。同社社長の山口伸樹笠間市長は「品種別に質の高い加工品を作り、全国に笠間の栗、茨城の栗を広めたい」と語った。



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