職員解雇、二審も無効 一審判決支持、大津漁協(北茨城市)の訴え棄却 東京高裁
大津漁協(茨城県北茨城市)を解雇された元職員の男性2人が同漁協を相手取り、地位確認と賃金などの支払いを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(後藤健裁判長)は24日までに、解雇を無効とした一審水戸地裁判決を支持し、漁協側の控訴を棄却した。未払い賃金についても、漁協が2人に計約1700万円を支払うよう命じた。
訴えたのは、いずれも元職員の永山孝生さん(44)と鈴木基永さん(43)。2人は、東日本大震災後の試験操業でシラスに含まれる放射性物質の分析結果を同漁協が改ざんした疑いがあるなどとして週刊誌に情報提供したことなどを理由に、不当に解雇されたと主張。漁協側は「改ざんではなく数値の訂正」などとし、「虚偽のリークや告発で信用を毀損(きそん)した」と訴えていた。訴訟では2人の解雇に合理的な理由があるかが争点となった。
判決理由で後藤裁判長は「漁協の補助金受給に不正があると疑うことが不合理であるとは言えない」などとした。
判決を受け、2人は「ほっとした」「公益通報だったと認められたと感じられる言葉も書かれており、よかった」と話した。同漁協幹部は取材に対し「主張が認められず残念。弁護士と相談して対応を決めたい」と話した。