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記憶継承誓い黙とう つくば竜巻12年 北条地区の住民 茨城

竜巻の犠牲者を追悼し黙とうする北条地区の住民ら=つくば市北条
竜巻の犠牲者を追悼し黙とうする北条地区の住民ら=つくば市北条


死者1人、負傷者37人を出した2012年の茨城県つくば市竜巻災害は6日、発生から12年となった。最も大きな被害を受けた同市北条地区では、住民らが午後0時46分の災害発生時刻に黙とうし、犠牲者を追悼した。

竜巻は同年5月6日午後0時35分ごろ、同県常総市で発生し、つくば市北部までの約17キロを移動した。つくば市では建物1100棟が損壊し、中学生1人が死亡したほか、37人が負傷。竜巻の強さは国内観測史上最強クラスだった。

この日、北条地区の交流拠点「北条ふれあい館」に住民ら5人が集まり、竜巻が通過した方角に向かい1分間の黙とうをささげた。

同地区は江戸時代、筑波山参拝への門前町として栄え、今も古い土蔵などが点在する。

参加者の一人、北条街づくり振興会の坂入英幸会長(74)は当時を振り返り、「ボランティアが大勢駆け付け、がれきの撤去や炊き出しなど、商店街の復旧に尽力してくれた」と感謝。「北条を訪れた観光客などに被災の記憶を伝えられれば」と話した。

坂入会長によると、竜巻は、店舗のシャッターや屋根を吹き飛ばすほどの破壊力だった。地元の写真技師、矢島祐介さん(43)は当時、被災直後の商店街を撮影した一人。「瓦が家の壁に突き刺さり、電柱は折れ、軽トラックが田んぼに埋まっていた。あの光景は忘れられない」と振り返った。



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