新型コロナ5類移行1年 茨城県内なお警戒続く 患者減も強い感染力
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、8日で1年となった。茨城県内は5類移行前に比べ、流行の波は縮小し、重症・中等症患者の数も減少したものの、感染力の強さから医療現場などでは依然として警戒が続いている。
県内の定点当たりの患者報告数(週単位)のピークは、「第9波」が2023年夏に27.74人、「第10波」は今年1~2月に22.46人となり、直近の4月22~28日は3.10人。5類移行前の「第8波」は22年冬の46.81人(推計値)だった。
酸素投与が必要な重症・中等症の入院患者数は、第8波のピーク時で278人に上ったが、第9波では128人、第10波は94人だった。
県医師会の鈴木邦彦会長は、新型コロナがデルタ株からオミクロン株に変わったことで「症状は軽くなっている」と分析する。ただ、医療機関や高齢者施設は「感染防止対策をしても(コロナが)入ってきてしまうことがあり、引き続き課題だ」と指摘した。
県はコロナ禍を教訓に、新たな感染症に対する備えを急ぐ。3月に策定した県感染症予防計画(24~29年度)では、入院患者の病床数や発熱外来の数、自宅療養者の健康観察や診療を行う医療機関の数などを定め、関係機関との協定締結を進めている。
県疾病対策課の担当者は「新型コロナの感染状況は注視を続け、必要に応じて啓発したい。新たな感染症の対応力向上に向け、今後は医療機関の支援に力を入れる」としている。