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カミキリムシ駆除 奨励金 特定外来2種 樹木被害抑制 茨城県

特定外来生物の「クビアカツヤカミキリ」と「ツヤハダゴマダラカミキリ」(左から)
特定外来生物の「クビアカツヤカミキリ」と「ツヤハダゴマダラカミキリ」(左から)


サクラなどに寄生して枯死させる特定外来生物のカミキリムシ2種の被害対策で、茨城県は本年度、初めて県民を対象に奨励金を出し、駆除に力を入れる。県内での確認は2022年度の5市町から23年度には12市町に急増。拡散防止のため、従来の薬剤注入や伐採に加え、成虫の捕殺を強化する。人海戦術で駆除を促進し、被害抑制を図る。

県環境政策課によると、外来種は「ツヤハダゴマダラカミキリ」と「クビアカツヤカミキリ」。国内ではそれぞれ約20年前と約10年前に初確認された。幼虫が木の内部を食い荒らして枯死させ、木が折れやすくなり、台風や強風による倒木の原因にもなる。

これまで県内では水戸、笠間、小美玉、土浦、石岡、つくば、筑西、桜川、下妻、常総、古河、五霞の計12市町で生息が確認された。街路や学校にあるサクラのほか、公園の広葉樹、モモなどの果樹に被害が出た。繁殖力が強く、生息範囲がさらに広がることが懸念される。

笠間市にある県施設「笠間芸術の森公園」では昨年、カツラの木など約100本を伐採。つくば市の茎崎こもれび六斗の森キャンプ場でも桜7本が被害を受け、今年3月末までに伐採された。

森林総合研究所(つくば市)の加賀谷悦子昆虫生態研究室長は「全国的に発見地域がじわじわ広がっている」と指摘する。理由について、クビアカツヤカミキリが多数の卵を産み繁殖力が高いことやツヤハダゴマダラカミキリが幅広い樹種に産卵することを挙げた。茨城県に近い福島県や栃木県でも確認されており、「県内の未発見市町村でも生息している可能性は十分考えられる」と予測している。

県はこれまで、国が作成した被害対策のリーフレットを市町村窓口で配布。現地調査も実施し、被害樹木の管理者に助言をしてきた。市町村や管理者が薬剤などで幼虫の駆除をしているが、県全体で駆除を進める必要があると判断した。

県は新規事業として「いばらきカミキリみっけ隊」を発足させ、小学生以上の県民を対象に参加者を募る。駆除した成虫個体を県生物多様性センターか、12市町の担当窓口に持ち込むと、10匹につき500円分の奨励金(プリペイドカード)と交換できる。期間は成虫発生のピークを迎える6~9月に設定。生きたまま持ち運ぶことは法律で禁じられているため、見つけた際には捕まえ、その場で踏みつぶすなどの対応を勧めている。

奨励金は250万円の予算内で交付。10匹未満の駆除でも缶バッジやエコバッグを先着順で配る。特別な手続きは必要なく参加できる。

県環境政策課の庄司仁副参事は「制度を通じて被害拡大防止や県民への啓発につなげたい」と話し、活動の広がりに期待を込めた。



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